家事按分の仕訳のやり方:割合の決め方と年末一括処理

自宅で仕事をしている個人事業主なら、家賃・電気代・通信費の一部を経費にできます。それが家事按分(かじあんぶん)です。

むずかしいのは2点だけ。「何%を事業分にするか」の根拠と、それをどう仕訳するか。どちらもこのページで片づきます。

按分割合は「説明できる根拠」で決める

按分割合の根拠の例

費目よく使う根拠計算のイメージ
家賃(地代家賃)仕事部屋の床面積 ÷ 全体の床面積60m²中12m²が仕事部屋 → 20%
電気代(水道光熱費)使用時間・コンセント数など1日8時間×週5日仕事 → 約24〜33%
通信費(スマホ・ネット)事業での使用時間・日数の割合平日は主に仕事で使用 → 50%前後
車関連事業での走行距離 ÷ 総走行距離記録アプリや日誌で距離を残す

大事なのは数字そのものより根拠です。 「なんとなく50%」ではなく、床面積や使用時間など、聞かれたら説明できる基準で決めて、メモを帳簿と一緒に残しておきましょう。

計算例:家賃10万円・事業割合20%の場合

月10万円の家賃で、床面積基準の事業割合が20%なら:

月の経費 = 100,000円 × 20% = 20,000円

年間では 20,000円 × 12ヶ月 = 240,000円 を地代家賃として経費にできます。

仕訳のやり方は2通り

① 毎月按分: 支払いのたびに事業分だけを記帳する方法。プライベートの口座や現金から払っているなら、貸方は事業主借です。

> 借方:地代家賃 20,000 / 貸方:事業主借 20,000(毎月)

② 年末一括按分: ふだんは記帳せず、年末に1年分をまとめて1本の仕訳にする方法。記帳の手間が12分の1になり、割合の見直しもしやすいので、個人事業主にはこちらが現実的です。

年末一括按分の手順

  1. 1年分の総額を出す(例:家賃 100,000円 × 12ヶ月 = 1,200,000円)
  2. 事業割合を掛ける(例:1,200,000円 × 20% = 240,000円)
  3. 年末の日付で仕訳を1本入れる:借方 地代家賃 240,000 / 貸方 事業主借 240,000(プライベートの財布から払っている場合)
  4. 根拠(床面積・使用時間などの計算メモ)を保存しておく

もし事業用口座から全額を払っている場合は逆向きになります。ふだん全額を経費計上しているなら、年末に家事分(私用分)を経費から抜きます:

> 借方:事業主貸 960,000 / 貸方:地代家賃 960,000(家事分80%を戻す)

Aoboki での家事按分

帳簿アプリ Aoboki では、年末一括按分がいちばん相性のよいやり方です。12月末の日付で金額を入れ、科目(地代家賃など)と支払い元(プライベートのお金)を選べば、複式簿記の仕訳は自動で正しく起きます。科目の説明にも按分のやり方をひとこと添えてあるので、年に一度の作業でも迷いません。

よくあるご質問

家事按分に上限の割合はありますか?

一律の上限はありませんが、実態より大きい割合は認められません。白色申告では「業務の主たる部分に使っている」か「業務部分を明確に区分できる」ことが目安とされます。いずれにせよ根拠が説明できる割合にしましょう。

持ち家でも家事按分できますか?

家賃はありませんが、減価償却費・固定資産税・住宅ローンの利息部分などを事業割合で按分できます。ただし住宅ローン控除との兼ね合いがあるため、事業割合を大きくする前に確認をおすすめします。

毎月按分と年末一括、どちらが正しいですか?

どちらも正しい方法です。年間の経費額は同じになります。記帳の手間が少ない年末一括が個人事業主には現実的です。

按分の根拠は提出が必要ですか?

申告時に提出する必要はありませんが、帳簿と同様に保存しておき、問い合わせがあれば説明できるようにしておきます。

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